竜神の滝近くにそそりたつ断崖で刃を交える机竜之助(市川雷蔵)と宇津木兵馬(本郷功次郎)。盲目の竜之助は断崖から落下するが、お豊(中村玉緒)に助けられる。お豊はやがて廓に身を沈めた後、病に侵され自害して果てるが、竜之助はそんなお豊の死に対して、少しの動揺も見せなかった。東海道を東へ向かう竜之助は道中、生け花の師匠・お絹(阿井美千子)と出会う。お絹は道中師・がんりきの百(小林勝彦)に狙われており、竜之助は百の右腕を斬り落すが、誤って谷底へ転落してしまう。竜之助はお徳(矢島ひろ子)によって助けられ、お徳から甲府勤番の旗本・神尾主膳(島田竜三)の強引なゆすりの話を聞き、主膳の宿へ乗り込むが捕縛され、逆に幽閉されしまう。ある夜、主膳は色と欲から有野村の馬大尽の一人娘・お銀(中村玉緒)に迫るが、お銀は竜之助に助けを求めた。お銀の顔にはむごたらしい火傷の後があった。だがその声に、お豊、お浜の面影を感じた竜之助はお銀を連れて大菩薩峠に舞い戻る。豪雨で笛吹川が氾濫を起こす中、竜之助はお浜との間に出来た息子・郁太郎を求めてさまよう。そして竜之助の噂を聞きつけた兵馬もまた大菩薩峠へ向かう。決着の時が近づいていた…。
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